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*Translated from original text in BUFFALO ZINE issue #2. This is volume 1 and continues to volume 2 in the issue.

※これはBUFFALO ZINE issue #2のEDITOR'S LETTERの英語原文を日本語に翻訳したものです。これは前半のみで、後半にも続きます。

幼い頃、僕は小さな街に住んでいた(実際のところ、僕の身体的なサイズのせいでそれほどでもなかったのだけど)。その小さな街で一番カッコよかったのは(僕のママを抜きにして)、多分僕より5、6歳年上のほとんどアルビノに近いとても明るいブロンド髪で、グレーかブルーの瞳の女の子だった。僕は彼女を見かけるたびに心臓がドキドキした。それは彼女の特別な見た目のせいだけではなくて、彼女の着こなしが素晴らしかったからだ。ある日彼女はニルヴァーナのTシャツを着ていた。それで僕は初めてニルヴァーナを知った。その時はまだインターネットもなかったし、音楽はカセットテープかラジオで聴くものだった。もしくはラジオから録音したカセットテープを聴いていた。

 

僕のおばあちゃんはジュエリーショップを経営していた。1994年、彼女はおばあちゃんの店に鼻ピアスができるかどうか聞きに行った。それで僕は初めてピアスについて知ったんだと思う。もちろん僕のおばあちゃんにとっても初めてだったけど、おばあちゃんの反応は僕の反応より薄かった。

彼女はアディダスのガッツレーとかナイキのラバーソール 5-a-side フットボールブーツを履いていて、僕にとっては実際に街でそれを履いている人を見たのは彼女が初めてだった。彼女はそのスニーカーにおばあちゃん風の花柄の黒いスカートをはき、それにバンドTシャツを着て、アーム部分に「V」と書かれたジャッキー(ジャクリーン・ケネディ)にインスパイアされたサングラスをつけていた。後にその「V」はValentinoの「V」だったとわかった。また、彼女はドクター・マーチンのブーツを履いていて僕にとっては初めて見るものだった。しかもそのドクター・マーチンに白いネグリジェをあわせてバーバリーみたいなトレンチコートを着ていた。

 

そして僕は気がついた。それは単に僕の街が小さかったからじゃなくて、彼女は僕が見てきた人たちの誰よりも進んでいたんだ、ということを。

あれからだいぶ時は過ぎたけど、僕はまだ彼女以上にスタイリッシュでインスパイアリングな人に出会ったことはない。実際のところ、彼女の着こなしは本当にカッコよかった。まるでコートニー・ラブとかのロックスターみたいだった。何年か後にコートニーに会ったけど、彼女の方がコートニーより輝いていたということに気がついた。

 

僕は彼女、ローザに「ありがとう」と言いたい。

彼女は何も知らないだろうけど、彼女が僕に与えてくれた全てのことに。

リスクを負いながらも個性的であることを恐れずにいた勇敢な姿勢に。

(おそらく彼女にとっては他に選択肢はなかったのかもしれないけど)

僕が僕らしくいることを後押ししてくれたことに。

 

これは僕から彼女へのラブレター。

 

編集長

エイドリアン・ゴンザレス

 

P.S. デビッド、愛してる

 

 

 

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