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              EDITION PATRICK FREY

 

1986年にパトリック・フレイによって始められた出版社 Edition Patrick Frey は主にスイスのアーティストを中心に、海外のアーティストたちともコラボレーションをしながら、これまでに160以上のタイトルを出版してきている。

 

特に若手のアーティストたちに初めての作品集出版の機会を与えることを目的にしつつ、同時にWalter Pfeiffer(ウォルター・ファイファー)や Peter Fischli & David Weiss(ペーター・フィッシュリ & ダヴィッド・ヴァイス)、Andreas Züst(アンドレアス・ツュースト)らといった名だたるアーティストたちとも長年に渡りコラボレーションをしてきている。

写真、アート、日常や大衆文化をテーマとしたプロジェクトを主題に年間10冊以上のタイトルを出版している。

各タイトルの出版部数は少なく、また他に類を見ないプロジェクトを扱っており、美しいデザインと高いクオリティから、今ではレアなコレクターズアイテムとなっているタイトルも少なくない。

 

https://www.editionpatrickfrey.com/en

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Nº196

BOB NICKAS  /  69/96

『69/96』は、2014年にスイスのアーティスト Fredi Fischli(フレディ・フィッシュリ)とNiels Olsen(ニールス・オルセン)、そしてアメリカのキュレーター Bob Nickas(ボブ・ニッカス)によってスイスで開催された同名展覧会を記録した本です。

『69/96』は『69』と『96』の二つの展示によって成り立ちます。『69』は、Bob Nickasがセレクトした、彼がアートの世界に足を踏み入れた頃である1969年の作品群を展示し、『96』はFischliとOlsenがセレクトした、彼らがアーティストとしての活動を始めた頃である1996年の作品群を展示しました。本書において、この3人のキュレーターたちが個人的なものであると同時にアートの歴史でもあるそれぞれの展示について、世代を挟んだ対話をすることによって、私たちにアートの歴史はある意味人生の生きた本質が反映されるべきものだということに気付かせてくれます。

本書の左ページは、1991年にNickasがゼロックスコピーで制作したカタログが掲載され、右ページと見開きには2014年に開催された『69/96』の展示の記録が掲載されています。

この1991年と2014年の展覧会にて展示されたアーティストは、Richard Artschwager(リチャード・アーツシュワガー)、 Larry Clark(ラリー・クラーク)、河原温、Bruce Nauman(ブルース・ナウマン)、Albert Oehlen(アルバート・オーレン)、Meret Oppenheim(メレット・オッペンハイム)、Sigmar Polke(シグマー・ポルケ)、Gerhard Richter(ゲルハルト・リヒター)、Ed Ruscha(エド・ルシェ)、Andy Warhol(アンディ・ウォーホル)、Karlheinz Weinberger(カールハインツ・ヴァインベルガー)、 Lawrence Weiner(ローレンス・ウェイナー) 等々。

 

21.5 × 28 cm  / 136 ページ / ソフトカバー / 2015年 

ISBN: 978-3-905929-96-6

 

定価 4,800 円 (税抜)

Nº173

FLURINA ROTHENBERGER 

I LOVE TO DRESS LIKE I AM COMING FROM SOMEWHERE AND I HAVE A PLACE TO GO

これまでに西洋のメディアでは紹介されることのなかったアフリカ大陸の様々な地域の日常を紹介するこの小さな写真集は、大きな世界へと広がる窓になるでしょう。スイス人フォトグラファー Flurina Rothenberger(フルリーナ・ローテンベルガー)がこの10年間取り組んできたプロジェクトをまとめた『I love to dress like I am coming from somewhere and I have a place to go』では、通常の固定概念からはるかに離れたアフリカの現実世界が紹介されており、このカラフルで平凡な日常ほど、壮大でセンセーショナルなものは無いということに気付かせてくれます。

西アフリカで育った彼女は54もの国から成るこの巨大な大陸の持つ曖昧さやしきたり、そして不安についてよく理解しています。

Rothenbergerが冷静に写し取るアフリカの日常風景には、私たちがアフリカをどのように見ているのかということに対して、彼女なりの貢献が提示されています。なぜなら、アフリカ大陸はとても捉えにくく、その実態を計り知るのは困難で、非常に複雑であるからです。

これらの彼女が見てきた本物の現実世界の記録はあなたの様々な既成概念を壊すことになるでしょう。

 

13.5 × 18 cm  / 264 ページ / ソフトカバー / 2015年 

ISBN: 978-3-905929-73-7

 

定価 4,800 円 (税抜)

Nº171

WEINBERG & CO / Haussmann für Weinberg

スイスのチューリッヒにある家族経営のブティック「Weinberg」と建築家/プロダクトデザイナーの Trix + Robert Haussmann との、四半世紀に及ぶコラボレーションをまとめた作品集です。

本書では、彼らがどのようにして共に「Weinberg」を作り上げてきたかということだけでなく、見取り図やドローイング、資料写真などを通して過去20年に渡りランバンやクレージュといったファッションブランドとのコラボレーションをしながらいかに互いのイメージを作り上げつつ、革新的なコンセプトのブティックを築いてきたかということが紹介されています。

豊富な写真とニュース記事、カタログや冊子などの資料により、『Haussmann für Weinberg』はファッション、デザイン、建築についての本であると同時にスイス・モダニズムと当時の時代精神を正確に捉えたものでもあります。

 

22.5 × 30 cm  / 164 ページ / ソフトカバー / 2015年 

ISBN: 978-3-905929-71-3

 

定価 5,000 円 (税抜)

Nº174

CAMERON JAMIE / FRONT LAWN FUNERALS AND CEMETERIES

アメリカでは毎年ハロウィンの時期になると郊外にある家という家の前の庭や玄関先に、お化けやギロチン、棺おけに入った骸骨、切断された身体の部分や巨大な蜘蛛といったホラーをテーマにした様々なデコレーションが登場し、その様はまさに「デコレーションの狂乱」のようになります。

アメリカ人アーティストの Cameron Jamie(キャメロン・ジェイミー)は1984年からロサンゼルス郊外のこういったハロウィンデコレーションの撮影を始め、ここ15年程フランスに移住して活動をしている間も毎年ハロウィンの時期には必ず帰国し、撮影を続けてきました。

全ての撮影は夜間では無く昼間に行われ、そのことにより私たちが普段ハロウィンのデコレーションから感じ取るホラーなイメージの意味を変えてしまいます。

ジェイミーにとって、ハロウィンにロサンゼルス郊外の玄関先の庭が劇場へと変わり、そこでアメリカの一般の人々によってエンターテイメントとしての「死」が表現される事はその土地特有のアートの形として捉え、彼はその事を「アメリカのグランギニョール(恐ろしげで気味の悪い劇)」と呼んでいます。

社会のテーマと悪党がミックスされ、フィクションであるハリウッドのホラー・モンスターたちと実生活が入り交じる時、世界はこれまでに無いほどに奇妙な世界へと変化します。

 

23.5 × 35 cm  / 144 ページ / ハードカバー / 2015年 

ISBN: 978-3-905929-74-4

 

定価 7,500 円 (税抜)

Nº181

LUCIANO RIGOLINI  /  MASK

スイスのフォトグラファー Luciano Rigolini(ルチアノ・リゴリーニ)による、1955~1962年の間に生産されたアメリカ車のフロントグリル部分のイメージのみを集めた作品集です。

その時期は車のエンジニア技術の発展に伴いデザイン性も高くなり、特に車のフロント部分には当時の流行が反映されました。

ここ数年自身で新たに写真を撮るのを止め、既に存在しているイメージ(画像)を加工することに専念しているリゴリーニは、この『MASK』のためにスペア・パーツのカタログを利用して、車のフロント部分の画像をスキャニングし、それぞれに製造された年と車種が分かるものには車種名も記載し、自身の作品化のために抽象化しました。

美的要素を加えるためではなく、ただ純粋に機能的な目的のために切り取られ、ページの中央にモノクロで印刷されたフロントグリルのイメージは、どこか奇妙で可笑しかったり、または不穏であったり、滑稽であったり、人々に様々な印象を与えます。

本書の中で連続するフロントグリルのイメージは、今では既に過去の産物となってしまった、アメリカの黄金期と呼ばれる時代や当時の社会の典型的なシンボルを思い起こさせます。

私たちは『MASK』において、コンセプチュアルな厳格さと視覚的な官能性との間で様々な解釈をすることが出来ます。

 

15 × 20.5 cm  / モノクロ / 330 ページ / ハードカバー / 2015年 

ISBN: 978-3-905929-81-2

 

定価 6,300 円 (税抜)

Nº 177
LURKER GRAND  /  NEED COMES TO AN END - THE SWISS ART OF ROCK

Lurker Grand(ルーカー・グランド)による本書は、これまでに彼がEdition Patrick Freyより出版した『Hot Love – Swiss Punk & Wave 1976 – 1980』(2006)、『Heute und danach – The Swiss Underground Music Scene of the 80s』(2012)に続く3冊目のプロジェクトとなり、スイスにおけるロックミュージックの歴史をビジュアルで紹介する本です。

アルバムジャケットやコンサートのポスター、フライヤーやファンジン、コミック、写真などの様々なビジュアルを通して、この50年間に渡るスイスのロックとポップミュージックの歴史を遡ることのできる、資料価値も高い一冊です。

本書は、これまで誰もなし得なかった草分け的な本であると同時に、スイスにおいてのみならず世界的なロックヒストリーの年代記における歴史秘話が語られています。

 

22 × 32 cm  / フルカラー / 498 ページ / ソフトカバー / 2015年 

ISBN: 978-3-905929-77-5

 

定価 7,600 円 (税抜)

Nº195

ALBERT OEHLEN  /  IN DER WOHNUNG

ドイツ人で現在はスイスを拠点に活動しているアーティスト Albert Oehlen(アルバート・オーレン)の作品集。

ヴュイヤールやダリといったような古典のアーティストから、マルティン・キッペンベルガー、ロイ・リキテンシュタイン、マイク・ケリーといった近代・現代のアーティストの作品をコラージュの素材として使い、ポップアートに作り替えています。

 

24 × 32 cm  / 23 b/w images 67 color images / 128 ページ / ハードカバー 2015年 

ISBN: 978-3-905929-95-9

 

定価 5,200 円 (税抜)

Nº178

JEAN-PIERRE MAURER  /  MORGAN IS SAD TODAY

本書は、Jean-Pierre Maurer(ジャン=ピエール・マウラー)とRobert Muller(ロバート・ミュラー)による写真作品シリーズです。この作品シリーズは1968年に一度だけ、チューリッヒのクンストゲヴェルベ美術館で展示されたのみでその後長きに渡り日の目を見る事のなかった作品をそのまま復刻したものです。

タイトルは、1950年代に新しい形の映画制作のためにイギリスで起こった「フリーシネマ」運動の創始者のひとり、カレル・ライス監督が1966年に制作した映画『Morgan, A Suitable Case for Treatment』の中に出て来る曲の歌詞「Morgan is sad, sadder than yesterday…」という部分から取られました。

収録されている作品群はファッションやカルチャーなど60年代中期の時代精神をよく表しており、また、当時はモノクロ写真の特大ポスターが一般的になったばかりの頃で、バスター・キートンやトロツキー、舌を出しているアインシュタインのポスターがよく見かけられるようになっており、本書もポスターというコンセプトで作られています。

1968年に展示された時のEttore Sottsass(エットレ・ソットサス)が寄せた解説文も収録。

 

16 × 21 cm  / モノクロ / 232 ページ / ソフトカバー / 2015年

ISBN: 978-3-905929-78-2

 

定価 4,500 円 (税抜)

Nº183

TAIYO ONORATO & NICO KREBS  /  THE GREAT UNREAL

スイスのアーティストデュオ Taiyo Onorato and Nico Krebs(タイヨ・オノラト & ニコ・クレブス)の人気作品集『The Great Unreal』のサード・エディション(第三版)になります。

二人が数ヶ月に渡りアメリカをロードトリップした際に撮影した写真作品シリーズ。作品はネガティブフィルムで撮られ、デジタル加工はされていないものの、アナログな手法を用い巧妙な手品のように現実世界をまるで非現実世界のように見せています。間にはヒントになるような写真も含まれているものの、はっきりとした種明かしはされておらず、見る者を現実と非現実の迷宮へと誘います。

 

22.5 × 33.3 cm  / フルカラー / 152 ページ / ハードカバー / 2015年(第三版)

※第一版、第二版とは表紙の仕様が若干異なりますが、内容は同じです。

ISBN: 978-3-905929-83-6

 

定価 7,200 円 (税抜)

Nº164

Eric Bachmann / Muhammad Ali, Zurich,26.12.1971

アメリカの伝説的なボクサー、モハメド・アリが1971年に試合のためにスイスのチューリッヒに滞在した際、フォトグラファーのEric Bachmann(エリック・バッハマン)がアリに10日間密着し、トレーニング時や試合、そしてプライベートの姿などを撮影していたものを収めた写真集です。ボクシングの試合表や当時の新聞の切り抜きなどの貴重な資料も収録。

 

20 × 29 cm  / 392 ページ / ハードカバー / 2014年 

ISBN: 978-3-905929-64-5

 

定価 8,600 円 (税抜)

 

Nº170

DAVID WEISS / DIE WANDLUNGEN (THE METAMORPHOSES)

2012年に亡くなったスイスのアーティストデュオ Peter Fischli & David Weiss(ペーター・フィッシュリ & ダヴィッド・ヴァイス)の一人、David Weiss の1975~1979年にかけて描いたドローイング作品シリーズ「DIE WANDLUNGEN(変身)」をまとめた作品集です。
このドローイング作品は、1975年に当時付き合っていたガールフレンドが他の男性の元に行ってしまい、取り残されたDavidがひとりモロッコのマラケシュに傷心旅行に行った際に生まれました。
何を描こうと考えることなく、ただ何となく紙の上端に思いついたものを描き、そこからどんどん自然発生的にその絵を進化させていく、という手法で始めたこのシリーズは何とその後4年間も続きました。
失恋でぽっかりと心に空いてしまった大きなすき間に本能的な大きな自由が入り込んだのか、それはまるでどのように終わるのかがわからないからこその、子供のような自由な遊び心で描かれています。

 

21 × 29.7 cm  / 596 ページ / ハードカバー / 2014年 

ISBN: 978-3-905929-70-6

 

定価 9,500 円 (税抜)

 

Nº166

MARIANNE MUELLER / STAIRS ETC

Nº162

Susanne Meyer  /  Are you kidding

ドイツ系スイス人アーティスト Susanne Meyer(スザンヌ・マイヤー)が、ノルウェー人のAmundという青年と恋に落ち、彼が94年に自ら命を絶つまでの間、二人で過ごした日々の写真や交わし合った手紙、貸し借りしたレコードのジャケットなどの記録を収めた美しくも切ない作品集。二人の親密なやり取りの断片から、私たち誰もが過去に持ち得る青春時代の愛と死の物語を思い起こさせます。

 

25 × 16 cm  /  96 ページ / ソフトカバー / 2014年

ISBN: 978-3-905929-62-1

 

定価 4,500 円 (税抜)

Nº143

Catherine Ceresole / Beauty Lies in the Eye

Catherine Ceresole(カトリーヌ・セレソール)と夫のニコラは70年代のニューヨークのアンダーグラウンド・ミュージック・シーンに魅了され、1979年にニコラがオーディオ・エンジニアの訓練を受けるために二人でニューヨークに移り住んだ。そこで彼らはすぐに数多くのミュージシャンたちと親しくなり、カトリーヌはコンサートや彼らと近しい環境でミュージシャンたちの写真を撮り始めた。

カトリーヌが撮りためた写真は、当時全盛だったニューヨーク・パンクやノーウェーブ、アヴァンギャルド・ミュージック・シーンの現場を捉えたドキュメンタリーとなった。彼女のドラマチックな瞬間に対する鋭い目により、ソニック・ユースやリディア・ランチ、グレン・ブランカやアート・リンゼイ、クリスチャン・マークレー、ビースティ・ボーイズらのミュージシャンたちの当時の貴重な姿を写真に収めることが出来た。

夫妻がスイスに戻った後もカトリーヌはその確かな耳と鋭い目でミュージシャンたちの写真を撮り続けている。

本書はここ数十年に渡る音楽のビジュアル史であり、この素晴らしいフォトグラファーが世に出る初の作品集となる。

 

文:クリスチャン・マークレー、サーストン・ムーア、リース・チャタム、マーク・カニンガム、リー・ラナルド、アラン・リヒト

カトリーヌ・セレソールとエマニュエル・グランジャンとの対談も収録。

 

21 x 28.5 cm  / 312 ページ / ソフトカバー /  英語 /  2013年 

定価 7,500 円 (税抜)

Nº145

H. R. Giger / Alien Diaries

スイスのアーティスト H.R.Giger(ハンス・ルドルフ・ギーガー)は、1978年にリドリー・スコットが監督する映画『エイリアン』(1979)のセットとフィギュアをデザインするためにロンドン近郊のシェパートン・スタジオで10ヶ月間制作に勤しんだ。『エイリアン』は世界的に大成功をおさめ、ギーガーはアカデミー賞においてオスカーを授賞した。

『Alien Diaries』は、ギーガーがスタジオで記していた日記やスケッチ、ポラロイドSX70で撮っていた写真などをまとめた制作ノートをそのまま複製した初の出版物である。彼は映画業界で働くことについて、彼がデザインしたものを現実のものにするためにいかにしてケチなプロデューサーたちやスタッフたちの怠惰さといったハンディキャップと悪戦苦闘してきたかを、容赦なくあからさまに、辛辣に、そして時折絶望しながら書き記している。本書ではギーガーのあまり知られていないパーソナルな一面を垣間みれると共に、未発表のドローイングやポラロイド、スティール写真なども含まれており、いかにして一人のスイス人アーティストが映画『エイリアン』を最高傑作に作り上げたのかを詳しく知ることの出来る貴重な一冊となっている。

 

※本書出版後の2014年5月にH.R.ギーガー氏は73歳で逝去。

 

23 x 31 cm  /  660 ページ / ハードカバー / 2013年 

定価 12,000 円 (税抜)

Nº149

Beni Bischof / Psychobuch

全てはBeni Bischof(ベニ・ビショフ)が2005年に彼自身のドローイングやコラージュ、テキストをまとめてコピー機でジンを作ったことから始まった。その手軽さ、生産の早さは彼の衝動的で多作な作品性質に合っていたようだ。間もなく彼はスカルプチャーなどの立体物、ペインティングやインスタレーションなどをレパートリーに加えた。

ビショフはしばしばありふれた日常品を使い、石膏と絵具で結合された奇妙なオブジェを作る。彼は同じような結合の技術を使い、ファッション雑誌や小説、レコードジャケットなどを素材にしてペイントを重ねたり、時にはデジタル処理を加えたりして作品を作る。

『Psychobuch』はビショフの、これまでの作品を広範囲かつ詳細に見る事が出来る本であると同時に本書自体がアーティストブックとして成り立つものとなっている。

 

23 x 31 cm  / フルカラー / 600 ページ / ソフトカバー / 2014年 

定価 8,300 円 (税抜)

Nº150

Giorgio Wolfensberger

Suzanne Perrottet – Movement

Suzanne Perrottet(スザンヌ・ペロテ)(1889年 - 1983年)はスイスのジュネーブで育ち、Émile Jaques-Dalcroze(エミール・ジャック=ダルクローズ)の元でリトミック(運動を通じて音楽を学び経験するという、音楽学習の方法論の一つ)を学び、ドイツのヘラーアウでダンサーのMary Wigman(マリー・ウィグマン)らにリトミックを教えた。1912年、ダンサー/振り付け師/理論家のRudolf von Laban(ルドルフ・ラバン)に出会い、当時アーティストのコミューンとなっていたモンティ・ベリータに共に移り住み、その後チューリッヒへと移り「ダダ・ソワレ(ダダイストたちによって開催されていた夜会)」でパフォーマンスを行った。

ペロテは1913年の夏にモンテ・ベリータにてラバン、ウィグマンらと共に自然な動作や音、言葉の中にある表現力を発見した。その発見は彼らにとって大きなターニングポイントとなっただけでは無く、モダン・ダンスが生まれた瞬間でもあった。全ての人が自然な動作の精神によって恩恵を受けており、目指すべきは心と身体の解放であった。

1920年、ペロテはチューリッヒに学校を創設し、そこで彼女はダンサーや俳優のみならず大人から子供まで、さらに障害者の人たちにもダンスを教え、また自身の研究にも力を注いだ。

しかしこの新しい分野において文献が欠けていることに気付いた彼女はそれを埋め合わせるために雑誌などから動作や仕草、身体的表現の写真を切り抜き始めた。そして60年の間に彼女のアーカイブは10,000を超え、それぞれカテゴリーごとに分類されていた。

ペロテは89歳になるまで活動を続けていたが、彼女の死後、長い間バナナの箱に入っていたこの膨大なアーカイブは忘れ去られていた。

再発見されたこのアーカイブをまとめた本書は、他に類のない動作のヴィジュアル・アーカイブとなった。

 

21 x 29.7 cm  / 280 ページ / ソフトカバー / 2014年 

定価 8,000 円 (税抜)

Nº151

Erik Steinbrecher / MONDFOTOGRAFIE

スイスのアーティスト Erik Steinbrecher(エリック・シュタインブレッヒャー)による、ユーモアとウィットに富んだ月の写真集。

シュタインブレッヒャーは月の写真を集め、レンズに指を置いてその写真を撮影することにより、満月をぼんやりとした三日月へと変化させた。

この『MONDFOTOGRAFIE』は、写真のイメージに対して疑問を投げかけているだけではなく、一般的なイメージに対しての解釈や読み解く事に対して、巧妙で明快なアプローチをとっている。

 

24.5 x 27 cm  / モノクロ / 46 ページ / ソフトカバー / 2014年 

定価 3,200 円 (税抜)

Nº152

Daniela Comani / A Happy Marriage

イタリア生まれで現在はベルリンを拠点に活動するアーティスト Daniela Comani(ダニエラ・コマーニ)が2003年より取り組んでいる写真プロジェクト「A Happy Marriage(幸せな結婚)」をまとめた作品集。

このプロジェクトにおいて、彼女自らが被写体となり、もはやジェンダー(性差)の役割が果たされていない現代的な結婚したカップルの男性と女性の両方を一人二役で演じている。しかしながら、表情やジェスチャー、ポーズや服装などによってそれが誤って伝えられている。

ヘテロセクシャル(ストレート)カップルの習慣に完全に頼りきっていた男性と女性の地位は巧妙かつ革命的にかき乱され、私たちは男女のどちらがどちらの役割を果たしているのか自問自答させられる。

 

16.5 x 23 cm  / 69ページ / ハードカバー / ドイツ語・英語・イタリア語 / 2014年 

定価 4,600 円 (税抜)

Nº154

Regula Bochsler, Philipp Sarasin 

The Rendering Eye: Urban America Revisited

『The Rendering Eye : Urban America Revisited』は、アップル社の作成した地図ソフト「Apple Maps」の3D画像に写し出されている現代アメリカのスクリーンショットを集めた写真集。

Apple Mapsで見る人気の無い通りや建物、工場などはまるで世界が滅亡した後かのように見える。車や船は束の間の痕跡となり、木々はまるで繭のような彫刻となり、コンテナは溶け出し、機械はねじ曲げられ、道路は歪められる。このソフトのアルゴリズムは驚く程の精密さによって世界が等高線でトレースされるにも関わらず、Apple Mapsの不気味な世界は現実世界によって完全に困惑させられている。数年前に機密扱いから外された元々は軍事ミサイル用に開発されたこのソフトウェアで作り出されるイメージは、ディストピア都市は映画『ブレードランナー』を、ビルの海はドイツ表現主義の『カリガリ博士』を、近未来的なビル群はシミュレーションゲーム『シムシティ』を、淡くにじんだような大通りは印象派の画家カミーユ・ピサロを思い起こさせる。

Regula Bochsler(レグラ・ボクスラー)によって捉えられたこれらの都市景観は抽象的で、機械によって作り出された冷たさが感じられるようだが、時に詩的に暖かく表現されているところがある。それらはソフトウェアのミステイクのおかげで、ぼやけた輪郭線や歪みはハンドメイドのようにも見え、最終的には絵画のような美しさを作り出している。

レグラ・ボクスラーとPhilipp Sarasin(フィリップ・サラジン)は、特に写真とメディア・サイエンスにおける私たちの「新しい世界」の進んだテクノロジーの解釈によって生まれた影響に重点をおきつつ、アルゴリズムによって作り出された都市景観の意味合いを探求している。

 

21.6 x 33 cm  / 288ページ / ハードカバー / 2014年 

定価 6,500 円 (税抜)

Nº155

Damian Christinger / Museum Rietberg

Das Fremde ist nur in der Fremde fremd

2014年7月にスイスのリートベルグ美術館で開催された展覧会「Gastspiel(客演)」のカタログ。私たちは異質なもの、親しみの無いものに対して動揺させられ、不安な気持ちにさせられる。この展覧会では、地理的に遠く離れた海外の異文化や、時間的に遠く離れた大昔の創造物など、日常に馴染みの無い異質なものに対して私たちはどのようにリアクションするのか、という疑問について深く掘り下げた。

Fischli/Weiss(フィッシュリ&ヴァイス)やPipilotti Rist(ピピロッティ・リスト)、Olaf Breuning(オラフ・ブルーニング)、Peter Regli(ピーター・レグリ)らを含む21名のスイスのコンテンポラリー・アーティスト達がインスタレーションやパフォーマンス、音楽などでその疑問に対するそれぞれの解釈を発表した。

 

編集:Damian Christinger(ダミアン・クリスティンガー)/ Museum Rietberg(リートベルグ美術館)

 

24 x 33.5 cm  / 196ページ / ソフトカバー・中綴じ / ドイツ語 / 2014年 

定価 4,800 円 (税抜)

スイスの若手アーティスト Maya Rochat(マヤ・ロシャ)の作品集。ロシャはアナログとデジタルの両方を用いた作品で平面的な写真で表現しうる深さを追求している。

彼女は身の回りのものや友人のポートレイト、風景の写真などを使い、まるで過激な外科手術を施すかのようにそれらを引っかき、切断し、さらに再び組み合わせて密度の濃い作品を作り出す。

この『Crystal Clear』にて表現されている痛烈で美しい世界は、既存の型にはまった解釈ではまるで理解出来ない上に、メディアによって作り出された一般的な美の概念とありふれた陳腐なビジュアル表現を容赦なく揺るがせることになるであろう。

 

23 x 30.2 cm  / 128ページ / フルカラー / ソフトカバー / 2014年 

定価 4,200 円 (税抜)

Nº156

Maya Rochat / Crystal Clear

Nº157

Luciano Castelli / SELF-PORTRAIT 1973–1986

スイスのアーティスト Luciano Castelli(ルチアーノ・カステリ)のセルフポートレイトのみを集めた写真集。

カステリは70年代初頭にカメラの前で様々な役(それは全く性別を無視したもので、時に神話に出てくるような両性具有の生き物であったり、グラムロックの歌姫であったりした)を演じ、セルフポートレイトを撮り始めた。また彼はそのアンドロジナス(両性具有)なルックスから70年代にピエール・モリニエの作品のモデルとしてコラボレーションもしていた。

カステリの色鮮やかで変幻自在のセルフポートレイトは陽気なエロティシズムとダークな物語性を含み未だに色あせることがない。しかし今まで彼のセルフポートレイト作品はペインティングやスカルプチャー、パフォーマンスなど他の作品群の中でも過小評価されてきており、あまり発表の場をもっていなかったのだが、数十年経った今、ようやく脚光を浴びるようになり、2014年にはパリのヨーロッパ写真美術館にて大規模な個展が開催された。

フランスの精神分析医/アート批評家のジャン=ミシェル・リベットはカステリの演劇的な表現を時代を超越した事件と解釈し、「カステリの表現豊かな演劇性は社交的で上品ぶった不快な商業の時代の混乱に対する抵抗である」と評している。

 

26.5 x 35 cm  / 168ページ / ハードカバー / 2014年 

定価 8,200 円 (税抜)

Nº158

Karen Kilimnik / Photographs

Edition Patrick Freyより出版された『Drawings』(1997) 、『Paintings』(2001) 、『Kirschgarten』(2005) に続く、Karen Kilimnik(カレン・キリムニック)の4冊目の作品集。

本書は、80年代に「スキャッター・アート」と呼ばれたさまざまなガラクタをまき散らしたようなインスタレーションで名声を得て、後にペインティング作品で有名になった、フィラデルフィア出身で現在もその地を拠点に活動するキリムニックのあまり知られていない写真作品をまとめたものになる。

キリムニックは、過剰なまでに光り輝く表面的な美しさとその下に潜む見る事も語られる事もないようなモンスターのようなものを捉える確かな感覚を使い、絵を描くのと同じように鋭く、確かな目で写真を撮る。彼女はキッチュなものを愛しているが、それがいわゆる偽物であることもわかっているし、また偽物であることがいかにそれを魅力的にさせているかも理解している。キリムニックは年老いた賢者のような魂を持っていると同時に若い精神が持ち得るイノセンスと脆さを永遠に失わないように固く決意した。

彼女は彼女が無条件で愛するものを写真に収める。その愛情は幅広く、深く、ダークなロマンティックである。それはうんざりするほど牧歌的なもの、例えばイギリスのコッツウォルズのなだらかな丘の景色、女性用の自転車、生け垣のある道、木陰にいる羊、朝霧の中にいる牛、花をかじるリス、小川のほとりにいるアヒル、、、などといったものである。それらをレンズを通して写真に収めることにより彼女の独特なドリーミー且つ悪夢のようなおとぎ話の舞台を形作るものへと変化させていく。

 

21.7 x 23.5 cm  / 252ページ / ハードカバー / 2014年 

定価 6,300 円 (税抜)

スイス人アーティスト/フォトグラファー Marianne Mueller(マリアン・ミュラー)が数年間に渡って撮り貯めていた彼女の身の回りものや外で見かけたもの、例えば椅子やテーブルから、噴水やプールといったものの膨大な写真を分類し、全て平等に並べたコンセプチャルな作品集。

 

22 × 33.5 cm  / 480 ページ / ソフトカバー / 2014年 

ISBN: 978-3-905929-66-9

 

定価 7,200 円 (税抜)

 

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